特にゲーム制作初心者の方は、これを意識するだけでスムーズにストーリーを考えることができると思います!
面白いゲームを作る時に欠かせない要素が、「ストーリー」・「物語」です。
もちろんこれらの存在しないゲームもありますが、
基本的にはこれらが面白いかどうかでゲーム全体の印象が変わります。
特に、RPGやアドベンチャーゲーム、ノベルゲーム制作の際は、これらのストーリーがゲーム全体の印象を左右します。
私が主催・運営する新人フリーゲームコンテストでの受賞作品の多くも、この
そんな大切なストーリーを考える時には「逆算」することが制作のコツとなります。
「物語の終わりから物語を考えるということ」です。
実際にRPGやアドベンチャー、ノベルゲーム等を作ってみるとわかりますが、
物語の最初から順番にストーリーを作っていると、途中で辻褄が合わなくなったり、うまく伏線が張れなかったりします。
「面白いストーリーが作れない…」と悩んでいる人は、ぜひこの記事をチェックしてみてくださいね!
本記事のテーマ
「ストーリー」・「物語」の考え方の流れの4ステップをお伝えし、
それに加えて、物語を作るときのポイント・コツも一緒に考えていきます。
1:「ゲームクリアの条件」・「最終目的」を考える
「最終目的」つまり「何をすればゲームがクリアになるのか」を考えます。
例1:「悪の魔王を倒す」(ドラクエなどのRPGで多い展開)
例2:「好きな人と恋人になる」(恋愛ゲームなどのノベルゲームで多い展開)
例3:「事件の犯人を特定する」(推理ゲームなどのアドベンチャーゲームで多い展開)
ゲームの最終目的は、作るゲームのジャンルなどによって異なります。
「いきなりこれを考えるのか?」と思うかもしれませんが、シナリオでプレイする人を驚かせて「面白いゲームだ!」と思ってもらうためには、物語の終着点を先に考えておくことが重要です。
「壮大な終着点」を考える必要はありません。自分自身がどんなゲームを作りたいか制作したいか、何を表現したいのかを気軽に考えましょう。そして考えたことは、スマホやPCのメモ帳に、思いつく限りメモしていきましょう!
※ちなみに、ゲーム制作初心者の方で、どのようなジャンルのゲームを作りたいか迷っている場合は、下記の記事も併せてチェックしてみてください。どのようなジャンルのゲームを作りたいかによって、適切なゲーム制作ツールが異なっており、適切なものを選択する必要があります。
2:「最終目的」を目指す「理由」を考える
では次に、『主人公たちは「目的」を達成するためにどうして行動するのか』という理由を考えていきましょう。
先ほど、スマホやPCにまとめた「物語の終着点」「最終目的」に、『なぜ』と付け加えてみましょう!具体的には、下記のように考えます。
例1:最終目的「悪の魔王を倒す」
なぜ?→「恋人との生活を守る為」・「世界を守る為」など…
例2:最終目的「好きな人と恋人になる」
なぜ?→「好きな人と恋に落ちたいから」・「好きな人を守りたいから」など…
例3:最終目的「事件の犯人を特定する」
なぜ?→「被害者の復讐のため」・「さらなる被害者を出さない為」など…
「最終目的」を決めて、それを達成する「理由」を考えるだけで、簡単なストーリー・物語ができました。
ここからさらに、細かい設定を考えて行くことで、シナリオや物語に深みを持たせていきましょう!
ちなみにここでポイントですが、盛り上がる物語のコツは、良い意味での「裏切り」です。たとえば、
例1:最終目的「悪の魔王を倒す」
なぜ?→「実は主人公が悪の魔王に成り代わることを企んでいたため」
どうでしょうか?
こうすることで、実は腹黒い主人公の性格が、最後の最後に暴かれるという展開になります。そうなればギャップを演出するためにも、「普段の主人公は、悪を許さない」という印象付けを普段からしておくのです。
このような、ゲームをプレイする人が驚く展開を仕込むためにも、最初に「最終目的」と「それを達成する理由」を考えることは重要なのです。
3:主人公(ヒーロー・ヒロイン)を決める
ここで初めて、主人公を考えます。
RPGを例に出すと、いわゆる王道と言われるストーリー・物語を作る際のポイントは、主人公の「成長」です。
例1ー1:
最終目的「魔王を倒しに行く」
なぜ「恋人を守る為」
主人公の特徴「普段は他人を全然守ることのできない弱い主人公」
例1ー2:
最終目的「魔王を倒しに行く」
なぜ「恋人を守る為」
主人公の特徴「実力はあるが孤独な剣士。他人を信用することができず、常に独りで戦う」
例1ー1のようなパターンでは、普段はダメダメな主人を、物語の序盤から描きます。それでも、旅を通じて恋人と出会って、仲間と出会って、そして問題を一緒に乗り越えて…そんな中で精神的にも身体的にも「成長する」ことによって、物語に深みを持たせることができます。
例1ー2のようなパターンでは、普段は他人を信用しない少し暗めの主人公人を描きます。ただ、自分一人だけでの力では敵に負けてしまうも、助けてくれた人の暖かさに触れ、少しずつ心を打ち明けていく。そんな心を開いた女性が悪の魔王に攫われてしまい、魔王を倒しに行く…などなど、こんな展開も面白いかもしれません。
このように、「物語の終着点」と「それを達成する理由」を決めたのち、「主人公の特徴とその成長」を考えることで、シナリオや物語が自然と浮かんできませんか?
さて色々妄想してみてください。そしてその妄想を忘れないようにメモしておきましょう。ここまでできれば、ある程度、どんなゲームを作りたいかが浮かんできているはずです!
また、ここで大切なことですが、主人公やヒロインなど主要キャラクター数名程度については、このタイミングで実際のイラストをなんとなくでもいいので考えておきましょう!
主人公の顔やヒロインの顔を実際に考えているのと考えていないのでは、シナリオや物語が自然と浮かびにくくなる可能性があります。
自作でイラストを描ける人なら、主人公やヒロインの簡単な顔イラストくらいは用意しておきましょう。もしイラストが描けない方は、イラスト素材などを少しずつ探して、自分の創作ゲーム作品のメインとなるキャラクターを決めていきましょう。
※ゲーム作成の際は、「キャラクター素材」を活用することでイラストが描けなくてもゲームを作ることができます。下記の記事やリンクなども参考にしながら、自分のお気に入りを探していきましょう!
4:小さな「物語」を組み合わせていく
ここまで考えると、あとは細かな物語を考えていきます。
最終目標:「魔王を倒す物語」
なぜ:「恋人を守る為」
主人公:「普段は他人全然守ることのできない弱い主人公」
細かな物語1:
「魔王を倒す為には伝説の剣と盾が必要」
→「伝説の剣と盾の場所を知るのは、〇〇村の村長」
→「〇〇村に行こう」
細かな物語2:
「〇〇村に行くための、お金がない…」
→「手っ取り早く稼ぐために、闘技場で1位を取ろう」
→「闘技場で1位を取るためには、もっと強い仲間がいる…」
…という具合に、細かな物語・ストーリーを考えます。
あとはこれらをうまく組み合わせることによって、勝手に物語は作れます。
シナリオ・物語・ストーリーを作る4ステップまとめ
最後にもう一度、この4ステップを整理します。
- 「ゲームクリアの条件」「最終目的」を決める
- その「最終目的」を達成する「主人公」を決める
- 「成長」を描けるような、主人公を考える
- あとは細かい物語をいくつも考えて、組み合わせる
基本的には、このステップで考えると、ゲームのストーリー・物語は考えることができます。
もちろん、小説や漫画(マンガ)などでもこの考え方は使えます。
意外とゲーム作りにおける大きなシナリオ・ストーリー作りは簡単です。
伏線をうまく張りたい場合も、この考え方をすることで、普段から主人公や周りの人物の行動なども演出でき、うまく伏線を張ることができます。
逆に、物語の初めから行き当たりばったりで物語を考えてもなかなかうまく伏線は張れません。
今回は王道RPGを例に考えてみましたが、ノベルゲームやアドベンチャーゲームでもこのシナリオの作り方は参考になると思います。
もちろん、物語やストーリー、シナリオの作り方には色々な考え方があり、私が述べたものが全てではありません。皆様の想いや考えを大切にして、ぜひ素敵なゲームを作ってほしいと思います。
ぜひ、ゲーム完成を目指しましょう!
皆様のご活躍、心から応援しております!!!!
面白い「シナリオ」・「ストーリー」・「物語」の考え方・作り方のコツってなんだと思う?